”自粛バカ”を読んでみた!

  • 2020-08-26
  • 読書
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自粛バカ、読んでみました。

読んでみて学んだこと3点。

– 生きていれば、リスクは避けられない。
– マイノリティーになろう。
– 自分の頭で考えよう。

それぞれについて、簡単に説明します。

生きていれば、リスクは避けられない

コロナウイルスの流行に従って、活動の自粛が求められている世の中。
ウイルス自体が存在するのかしないのか、と言った
私には判断がつきかねる問題についてはとりあえず、スルーします。
仮に、新種のウイルスが出現し、蔓延しているとして。
そして、適切に治療されたにもかかわらず、お亡くなりになった
方々がいらっしゃるとして。

このウイルスは通常のインフルエンザウイルスに比べて
致死率も、重傷者の方も少ないもののように
見受けられるにもかかわらず、指定感染症に認定された
ことによって、軽症者も全て入院しなくてはならず、
一気に病院が膨れ上がってしまったようです。

コロナウイルスが新種のウイルスであるために
恐ろしく感じることは自然であり、用心深く接するべき
ではあると思います。しかし、コロナウイルスの出現によって
日本人の死亡率が急激に上がったかといえば、
そうではありません。また、高齢者の方々の致死率は
コロナウイルスでなくとも、若年層に比べて高くなるのは
当然のことです。そして、誰しも生きるものは全て
死、に向かって進んでいることを考えてみても、コロナウイルスで
誰一人死なないように気を付ける、というのはそもそも無理な
話なのです。生きていれば、常に死のリスクと隣り合わせである
という基本的なことを思い出して欲しいと語りかけられている
ように感じました。コロナウイルスで亡くなられた方々は
お気の毒なことです。でも、コロナウイルスさえ流行しなかったら
必ず生きていた、とは言えませんよね。人は誰でも常に
死ぬ可能性があるのです。そして、全くリスクを取らずに
生きていくことなんて不可能なのです。

マイノリティーになろう

日本社会を表現するときに、「村社会」なんて言ったりしますよね。
古くから農耕民族として、周りの人と協力しあって生活してきた
日本人にとっては、マジョリティー側に所属することが
生死に関わるほど大切であったことは想像できます。
「村八分」にされてしまうということは、すなわち死にも近づくことになる。
日本に限らず、世界を見ても、政治の世界でも多数決で物事を決めたりしますから、
マジョリティーの意見が優先されてきたのが歴史というものなのかもしれません。
いじめ、つまり、マイノリティーを攻撃する行為ですが、
昔からずっと取り沙汰されているけれども
一向になくならないわけですから、人間には根源的に
孤独を恐れ、群れをなしたいという欲求があるみたいです。
より普遍的に見える意見に人々は賛同しやすいのです。
結局のところ、善悪なんて、状況によって変わります。
より多くの同意が得られれば、それが最強ってことになります。
マジョリティーに属していれば、安心できるのです。

元々マイノリティー側の人は、一人でじっくり考えたり
コツコツと積み上げていくのが得意な人が多い。
だから、歴史を振り返ってみても、マジョリティー側の人たちは
そうしたマイノリティーの意見を尊重して役立てたりしてきた
らしいです。必ずしもいつでもその関係性がうまくいっていたとは
限りませんが、昔の自民党にはそう言った懐の深さのような
物があった、と池田清彦さんは書いておられます。

翻って、現代社会に目を向けると、個の時代、なんて言われますよね。
一人でできることが飛躍的に増えました。
周りの人と協力しなくてもお金で解決できることが増えた。
そして、皆が同じ方向を向いて進む時代でもなくなってきた。
むしろマイノリティーに有利な世の中になったのかもしれません。
そして、その分、ますますマジョリティーからの風当たりが
強くなってきている。

この本で、とても考えさせられた部分。
自分の意見を持つことは大切。
人は自分の意見にそうような考え方を求めていってしまう。
そりゃそうですよね。自分は正しいと思いこみたいですから。でも、
自分とは反対の意見についてよりたくさん調べていくべきだ
と書かれていました。両方の意見を等しく調べた結果、
自分はどう考えるのか。自分の意見を主張して良いと思えるのか。
それでもマジョリティーに属するべきだと考えればそれもまたよし。
でも、マイノリティーの独創性が新しいものを生み出す可能性は
高いように思います。せめて、マイノリティーに理解を示す
ことは必須だと思いますね。

自分の頭で考えよう

リスクゼロ思考を招いてしまうのは、そもそも、人が自分の人生を
自分ごととして考えられていないからなのではないでしょうか。

あなたの人生はあなたのものです。当然!
ですが、本当に自分の人生を自分の考えに従って歩んでいって
いるのでしょうか?世間体、家族や親の常識、同調圧力。
こう言ったものと真に無縁で生きている人はいないと思います。
人は社会に生きる生物ですから、他の人との関わりは
欠かせないものでしょう。ですから、もちろん他人の意見に
耳を傾けることは大事です。しかし、
最終的な判断というものは、自分でするべきです。
他人は、絶対にあなたに対して責任をとってくれたりは
しないものです。

ただただそれが当たり前だと言われたから、
大学に行く。
結婚する。
なるべく大企業に就職する。
お金をたくさん稼ぐ。

大事なことだと言われていることの中にも、
人によっては、必要なものもあれば、不要なものもあるはずです。
でも、出る杭は打たれるのが日本という社会。
結局大人になると「普通」の人生が一番。
「普通」ってなんだか考えたことありますか?
普通なんて、存在しないんですよ。
人は皆違います。それなのに、なぜか道を外れないようにと
一生懸命指導されるところが、学校というところです。

戦時中や高度経済成長期など、皆が同じ方向を
向いていることを強く求められた時期が
ありました。よかったのか、悪かったのか。
それは、一概には決めれらません。

しかし、現代は今までにないほど変化のスピードも速く
多様性に満ちている時代。

横並び教育では革新的なアイディアも潰されてしまって
もったいないと思いませんか?IT教育など、
諸外国にやや出遅れた感のある日本。
そのうちさらに進化したAI社会が到来すると
画一的なことができるだけではAIには敵わなくなります。
奇抜なアイディア。問題を見つけ出せる人。
機械にはできないことをやっていくために
是非とも教育をアップデートしてもらいたいものです。
または、行政に頼らず、個々人で頑張っていくしか
ないかもしれませんね。

「自粛バカ」ーリスクゼロ症候群に罹った日本人への処方箋ー池田清彦

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